この記事で解決できる悩み
- 情報の信頼性ってなに?
- 信頼できる情報ってどうやって見分けるの?
- 信頼できる情報を提供するにはどうすればいい?
このような悩みを解決します!
膨大な情報で溢れている現代社会。
「どの情報が正しい?」「どの情報が信頼できるのか分からない」と悩んだことはありませんか?
そこで今回は、情報の信頼性について解説していきます。信頼できる情報とはどのような要素から判断できるのか、一般的な部分から多くの人が知りたいであろうwebサイトに限定した情報の信頼性についてまで網羅的に解説します!
この記事を最後まで読めば、信頼できる情報をあなた自身で判断することができますよ!
本記事の信頼性
それでは本編です!
情報の信頼性(Credibility)ってなに?
皆さん、情報の信頼性はどうやって判断していますか?
どうやって?と聞かれると分かりませんよね
皆さんは知らず知らずのうちに情報の信頼性を判断し、取捨選択しているのです。
勘で判断していると思っていた情報の信頼性には明確な定義があります。
以下で見ていきましょう。
情報の信頼性の定義
情報の信頼性は次の2つから判断できます。
- 専門性
- 信用性
上記の定義はHovlandによって提唱されました。
情報=ネットの中の1記事 と仮定して、専門性と信用性について考えていきましょう。
専門性
専門性とは記事の執筆者がどれだけ専門的な人であるかです。
知らないうちに皆さんは執筆者を判断基準にしています。
例を挙げて説明しましょう。
例題
あなたは健康になる方法をネットで検索しました。
どちらの記事が見たいと思いますか?
以下の二つの記事から選択してください。
お医者さんが書いた記事の方が見たい!
医者とサラリーマンという2つの選択肢。
皆さん医者の書いた記事の方が良いだろうと思いますよね?
専門性は執筆者の経験や知識によって判断されます。
例では、医者という職業が専門性であり、医者が書いた記事の方が良いと判断できたわけです。
信頼性の要素として専門性が重要であることは理解できましたね。
信用性についても説明していきます!
信用性
信用性とは記事がどれだけ信用できるかです。
信用性を示す要素として主に2つが挙げられます。
- データを情報操作していないこと
- 利益に基づいていないこと
それぞれについて説明していきます
データを情報操作していないこと
データの情報操作は皆さんも気づきづらいトリックです。
皆さんの身近にも情報操作しているデータが数多くあります。
例題で確認していきましょう
例題
2つの棒グラフを以下に提示します。
どちらも1月から3月にかけてのテストの点数の推移のグラフです。
どちらの方が伸び率がいいか答えてください。
こんなの簡単だよ!
左側の方が伸びてるもん
不正解です!
伸び率は同じです
この問題、引っかかってしまった方も多いでしょう。
私が情報操作したからです。
まず......
2つのグラフは同じデータから作成しています
えぇ!?!?
以下の表がグラフのデータです。
月 | テストの点数 |
---|---|
1月 | 110点 |
2月 | 120点 |
3月 | 130点 |
グラフの形は違うよ?
縦軸の目盛に着目してください。
左側のグラフの最小値が100に対し、右側のグラフの最小値は0ですよね。
目盛の幅もなんだか違う!
- 最小値の操作
- 目盛の幅の操作
たった2つの操作だけで、皆さんをだますことができました。
だまされないようにしっかりと判断する必要があるのです。
利益に基づいていないことも信用性として重要です
続けて説明していきます!
利益に基づいていないこと
例を用いて説明します。
例題
あなたはシャープペンシルが欲しい。
そこで気になっているシャープペンシルのレビュー記事を見ることにしました。
どちらの記事の方が良いですか?
例1
このシャープペンシルは最高です!
とにかく書き心地がよく、全員が買うべき逸品です!
例2
このシャープペンシルは書き心地が最高です!
ですが、持っていて重たいので長時間書くのには向いていないかもしれません......
長時間書く場合は別の製品をおすすめします。
うーん。そうだなぁ......
例2の方が良く見えるかも
なぜ例2の方が良く見えるのかを説明します。
両者の違いは欠点について言及しているかどうかです
例1はとにかく良い部分を前面におしだすのみで、欠点について書かれていませんよね?
対して、例2では利点だけでなく欠点まで言及し、読者にとって必要としている情報を書いていますね。
2つの記事を比較してみると、例2の記事は利益ではなく情報を正確に伝えています。利益に基づかないとは情報を過不足なく正確に伝えることなのです。
情報の信頼性は、
- 専門性
- 信用性
この2つで判断されることが分かりましたね。
次は情報の中でもwebサイトにおける信頼性を構築する4つの特色について説明していきましょう。
webサイトの信頼性(Credibility)を構築する4つのタイプ
webサイトの信頼性は次の4つから成り立っています。
- 仮定された信頼性
- 評判に基づく信頼性
- 表面的な信頼性
- 経験に基づく信頼性
foggらによって提唱された概念を日本語に置き換えた言葉です。
先行研究のレビューとして日本語で説明されている論文はこちらから
webサイトでは4つの観点から信頼性を判断ことができます。
それぞれについて適切に把握して、信頼できるwebサイトを見つけられる能力を身につけましょう。
それぞれ分かりやすく解説していきます
仮定された信頼性
仮定された信頼性とは一般的な知識によって判断される信頼性です。
いくつか例を挙げましょう。
- 政府が運営しているサイトは信頼できる
- 医療機関の情報は信頼できる
なんとなく信頼できそうと思う理由の1つが仮定された信頼性によるものです。
公的機関や大学から発信される情報は信頼しやすいですよね
このように皆さんの中にある一般的な知識は一般的信頼と言います。
他にも、URLが「https」の方が信頼できることも一般的信頼に該当します。
次のタイプも見ていきましょう
評判に基づく信頼性
評判に基づく信頼性とは記事内にどれだけ第三者の評判を入れているかの信頼性です。
レビュー記事で用いられる信頼性のタイプです。
シャープペンシルの例を用いて説明していきます
例題
あなたはシャープペンシルが欲しい。
そこで気になっているシャープペンシルのレビュー記事を見ることにしました。
どちらの記事の方が良いですか?理由も含めて回答してください。
例1
このシャープペンシルは最高です!
とにかく書き心地がよく、全員が買うべき逸品です!
例2
このシャープペンシルは書き心地が最高!
あの集英社が最も書き心地が良いとして採用している逸品です!
amazonの評価も4.5と他のシャープペンシルに比べて高いため、おすすめ!
例2の方だね
だってあの集英社も使ってるって言われると買いたくなるじゃん
「あの集英社が採用している逸品」
これが第三者の評判にあたります。
例1では執筆者の評判だけを書いていますが、
例2は執筆者の評判だけでなく、
集英社やAmazonの評価など、第三者の評判も取り入れています。
第三者の評判にはいろいろな種類が存在します。
- 顧客の口コミや体験談
- 専門家の意見
- 評価機関や認定機関の評価
- メディア報道の情報
- 学術論文や研究の引用
- SNSの意見
第三者の評判は多くのwebサイトで取り入れられており、信頼性を作り出すのに最も簡単かつ有効な手段です。
サイト運営者の方は第三者の評判を多く取り入れ、閲覧する方は第三者の評判が用いられているか確認しましょう。
表面的な信頼性
表面的な信頼性とはデザインの見やすさの信頼性です。
webサイトにおいてデザインは重要な要素の一つです。
例を挙げて確認します!
例題
今から1番と2番の2つのサイトを示します。
どちらのサイトの方が見たいか回答してください。
どちらかと言われると1番かな
デザインの見やすさ、綺麗さが関係しています
Sillenceの論文によれば
webサイトを信頼できないと判断するのは、デザインによるところが大きいと言えます。
以下が信頼できないと判断づける割合です。
- デザイン :94%
- 記事内容 :6%
確かに見た目が良くないサイトってすぐに閉じちゃう......
なんだか安全じゃない気がして......
皆さんも同じような経験がありますよね?
デザインの見やすさは信頼性を判断する要素です!
近年ではデザインの見やすさが信頼性に影響することを活かし偽サイトを作る犯罪者もいるため、注意しましょう。
ラスト1つまで来ました!
経験に基づく信頼性
経験に基づく信頼性とはサイトに対してあなたが持っている経験で判断される信頼性です。
僕が持っている経験......?
仮定された信頼性と似ているような......
似ていますが、区別して覚えましょう!
例を挙げて説明していきます。
質問
あなたが定期的に訪れているサイトはありますか?
いくつか挙げてください。
定期的に訪れているサイトかぁ
- 日本経済新聞
- Yahooニュース
とかかなぁ
なぜ定期的に訪れているのですか?
自分の欲しい情報が手に入るからだと思う!
サルが言ったことがまさに経験です。
サルが定期的にサイトを訪れるのは
自分の欲しい情報が手に入ると知っているからですよね?
知っている=経験
こう捉えると以下のような流れで経験が蓄積されていると分かります。
あなたがサイトに訪れることでサイトに対する知識(経験)を蓄える。
⇩
知識(経験)が信頼性の判断材料になっている。
1回目に訪れた時には経験に基づく信頼性はない?
サイトに関する知識はすべて経験に基づく信頼性です。
サイトについて持っている知識=経験に基づく信頼性の判断材料と考えましょう
仮定された信頼性と経験に基づく信頼性の違いは以下の通りです。
- 仮定された信頼性 : 一般に知られてる知識
- 経験に基づく信頼性: あなた自身が持っている知識
一般知識かあなた自身が得た経験としての知識かの違いです。
正しく区別しましょう!
信頼性を意識して情報を得よう
情報が氾濫している現代において、情報の信頼性の判断は重要なスキルです。
情報の信頼性は、
- 専門性
- 信用性
の2点から判断できます。
それぞれについておさらいしましょう。
専門性
記事の執筆者がどれだけ専門的な人であるか
信用性
記事がどれだけ信用できるか
信用性の2要素:
- データを情報操作していないこと
- 利益に基づいていないこと
専門性と信用性は信頼性を求める対象が異なります。
- 専門性:情報源の信頼性
- 信用性:内容の信頼性
誰がどのように情報を発信してるか観察する!
webサイトにおける情報の信頼性は4タイプに分けられました。
- 仮定された信頼性
- 評判に基づく信頼性
- 表面的な信頼性
- 経験に基づく信頼性
それぞれ復習しましょう。
仮定された信頼性
webサイトに関する一般的な知識に基づいて判断される信頼性
評判に基づく信頼性
記事内にどれだけ第三者の評判を入れているかの信頼性
表面的な信頼性
デザインの見やすさの信頼性
経験に基づく信頼性
あるサイトに対してあなたが持っている知識から判断される信頼性
普段なにげなく見てるwebサイトも信頼性を判断できるって凄いよね
情報が氾濫している現代、信頼できない情報も増えています。
情報の信頼性の要素を正しく学び、
情報の取捨選択能力を磨きましょう!